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テナント料とは?|賃料相場や家賃交渉についても解説!

2024.04.16


オフィスや店舗で商売をする際に欠かせないテナント物件。
テナント料は経費の中でも大きな割合を占めるため、入居を希望するエリアの相場をしっかりと見極めて契約することが大切です。

この記事では、テナント料の定義や計算方法、人気エリアごとの相場、家賃交渉が発生した場合の対策、そして『テナント料はインボイス制度の対象になるのか?』についてご紹介します。

テナント料とは?|家賃との違い

テナント料とは賃貸契約を締結する際にテナントの借主から所有者の貸主に対して支払う費用のことです。また、テナント料と家賃の違いは主に以下のようなものがあります。

【テナント料】
賃貸契約締結時に支払われる費用(保証金、敷金、礼金など)

【家賃】
賃貸契約期間中に継続的に支払われる費用(家賃、管理費または共益費など)

テナント料や家賃は立地・坪数等の要素や契約内容によって異なる場合があるため、よく確認しましょう。

テナント料の決め方と計算方法

テナント料を算出する際に重要な指標となるのが坪単価で、1坪あたりの賃料のことを指します。坪単価は、賃料と物件の広さ(坪数)によって算出され、1坪あたりの費用が決まります。

ここでは、テナント料の決め方と計算方法についてそれぞれ解説していきます。

テナント料の決め方

テナント料の決め方は、以下の通りです。

◼︎テナント料の決め方
テナント料は、物件の貸主や不動産業者によって異なりますが、収益分析法を用いる方法と居抜き物件の家賃決定要因が考慮されて決まります。

共益費込みの場合は、共益費を含めた総床面積に対して、坪単価を掛けた金額がテナント料となります。

テナント料の計算方法「収益分析法」について

収益分析法とは、事務所や店舗の収益を元に家賃を決める際に用いる手法です。
収益純賃料に対して、不動産賃貸借に関する諸経費などを考えて賃料を求めます。

◼︎テナント料の計算方法
テナント料の計算方法は、以下の通りです。
テナント料=基準家賃×月数+初期経費

契約条件や物件によって変動することがありますので契約書をよく確認しましょう。

テナントの賃料・家賃相場

テナントの賃料・家賃相場は、エリアや物件の広さ、坪数、築年数、設備の充実度等の要素により変動します。
また、都心や利便性の高い地域の場合、家賃が高くなる傾向がありますので、最新情報を確認すると良いでしょう。

ショッピングモール系の家賃相場

ショッピングモール系の家賃は売上歩合制(売上歩率)で、売上目標の7〜10%を賃料として支払うのが一般的で、月間の売上額×売上歩率=賃料という方法で計算されます。

業種や目標とする経営比率により異なりますが、月商200万円を目標とする場合は、
例:月商200万円×売上歩率10%=20万円
となり、20万円未満の家賃が適切な相場となります。

百貨店系の家賃相場

百貨店系の家賃は上記と同様に売上歩合制となり、売上に応じて賃料を支払うシステムが運用されており、売上目標の20〜30%を賃料として支払うのが一般的です。

月商1000万円を目標とする場合は、

例:月商1,000万円×売上歩率20%=200万円

となり、200万円未満の家賃が適切な相場となります。

また、東京都の人気エリアごとの家賃相場について以下でそれぞれご紹介します。

銀座エリアのテナント家賃相場

商業地としての需要が高く土地取引に注目が集まっている銀座エリアのテナント家賃相場は1坪あたり月4万5千円〜6万円の割合が多いです。
50坪テナントの場合、月の家賃は225〜300万円となります。

新宿(歌舞伎町)エリアのテナント家賃相場

渋谷・池袋と並ぶ3大副都心のひとつである新宿(歌舞伎町)エリアのテナント家賃相場は、
1坪あたり6万円〜7万円の割合が多いです。

50坪テナントの場合、月の家賃は300万円〜350万円となります。

渋谷エリアのテナント家賃相場

渋谷駅周辺を中心に大型商業施設が立ち並ぶ渋谷エリアのテナント家賃相場は、1坪あたり3万円〜4万円の割合が多いです。
50坪テナントの場合、月の家賃は150万円〜200万円となります。

表参道エリアのテナント家賃相場

表参道ヒルズや有名ブランドの路面店が立ち並ぶ日本有数のショッピングストリートである表参道エリアのテナント家賃相場は、1坪あたり4万円〜6万円の割合が多いです。
50坪テナントの場合、月の家賃は200〜300万円ほどとなります。

テナント料(家賃)で交渉が発生した際の対策

テナントを借りる、更新する際に家賃交渉が発生する可能性があります。

交渉方法・注意点は以下の2点です。
①家賃契約の種類と内容を確認する
②物件の相場をチェックする

ここで紹介するテナント料(家賃)で交渉が発生した際の対策として認知しておくと便利な交渉方法・注意点をご紹介します。

テナント家賃が高くて値下げしたいときの場合

テナント家賃が高くて値下げしたいと考える方もいるでしょう。
その場合は、以下の2点に注意しましょう。

1.強引な交渉をしないこと

家賃交渉に応じる根拠があったとしても、貸主の意向に沿わない強引な交渉をしてしまうとイメージが悪くなり応じてもらえない場合がありますので注意しましょう。

2.値下げできる前提で交渉しないこと

家賃を値下げできる前提で交渉してしまうと、貸主から「非常識だ」と思われ、最悪の場合、契約が不成立になる可能性があります。

値下げ交渉をする場合は、物件の担当者に尋ねてみると良いでしょう。

テナント家賃を値上げするといわれた場合

物件の貸主から家賃を値上げするといわれた場合の対処法は以下の2点です。


1.家賃の値上げ条件を提示する

家賃の値上げをする代わりに条件を提示して受諾してもらうというものです。


2.具体的な対処方法
具体的な対処方法は、値上げ時期の後ろ倒しや解約条件(解約予告期間、違約金)の緩和等があります。

テナント家賃の保証会社についての交渉

テナントを契約する際に利用する家賃保証会社ですが、貸主とは別に保証会社に月々30〜100%の家賃を支払うために加入を避けたい方もいるでしょう。
交渉方法としては以下の3点があります。

1.家賃を1年分前払いする
2.連帯保証人をつける
3.保証会社加入必須でないテナント物件を借りる

但し、保証会社への加入を断るのは容易ではないため、貸主や管理会社に確認するようにしましょう。

テナント更新時の家賃交渉

テナント契約更新時に家賃交渉をする場合は、何らかの理由が必要です。

例えば、
・周辺地価が下落し、家賃相場から見て高額になっている
・物件の築年数が長くなってきており、家賃が相応といえなくなりつつある
・自社の業績不振により、固定費を下げたい
などが挙げられます。

提示しようとしている内容が客観的に見て妥当であるかを考えた上で交渉するようにしましょう。

テナント料に消費税はかかる?

一般的な住宅用の物件と比較して高い傾向にあるテナント料に消費税がかかるかどうかを事前に把握しておく必要があります。

ここでは住居物件に消費税がかからない理由と住居と兼用の場合についてそれぞれご紹介します。

住居の家に消費税がかからない理由

住居用賃貸物件は、借主が生活する上で欠かせない要素の一つであるため消費税がかかりません。

ただし、

・ウィークリーマンション

・民泊

といった旅館業や契約期間が1ヶ月未満の物件に該当する物件の場合は消費税が課税されますので注意しましょう。

住居と兼用の場合

住居用と事業用部分が明確に区分できる場合、事業用の部分のみ消費税が課税されます。

例えば、物件の1階が飲食店の店舗で2階が住居の場合、店舗部分は課税され住宅部分は非課税対象となります。

一方、貸主が住宅兼事務所としての使用を認めていて、居住用賃貸物件として契約していれば非課税となります。

【インボイス制度】テナント料はインボイスの対象?

2023年10月1日より開始したインボイス制度においてテナント料は課税売上に分類されるため、対象となります。

両者とも課税事業者の場合は、適格請求書発行事業者の登録手続きをすることで仕入税額控除という制度のメリットを受けることができます。

一方、借主が課税事業者で貸主が免税事業者もしくはインボイスを発行していない場合は、仕入税額控除が受けられず、借主の税負担額が増え、値下げ交渉や解約をするリスクも。

インボイス制度について把握しておくことで、トラブルの回避や適用範囲などを確認しておくと良いでしょう。

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