近年、小さなスペースでもこだわりを打ち出した商品を提供できるとして、起業家や個人事
業主の間で5坪以下の貸店舗のニーズが高まっています。
この記事では、東京・埼玉・神奈川・千葉の4つのエリアに視点を当てて5坪以下の貸店舗に
向いている業態、向いていない業態をはじめ、各エリアの賃料相場、5坪以下の貸店舗の魅
力、東京で飲食店を出店する場合の注意点についてご紹介します。
5坪以下の貸店舗について【東京都】
東京都の5坪以下の貸店舗に向いている業態とそうでない業態については以下の通りです。
■5坪以下の貸店舗に向いている業態
5坪以下の貸店舗に向いている業態は、特定のコンセプトやこだわりを打ち出したカフェ、
雑貨店などのセレクトショップ、スタイリングや技術に特化した美容室、陶芸・絵画・手芸
などを取り扱うアートスタジオ、地域の特産品を取り扱う専門店などが挙げられます。
■5坪以下の貸店舗に向いていない業態
5坪以下の貸店舗に向いていない業態は、スーパー、コンビニ、家電量販店、ファミレスな
どの最低でも40坪の面積が必要な業種や大規模なイベントやセミナーの開催、大量の在庫保
管などが挙げられます。また、客席スペースを要す業態についても不向きです。
賃料相場
ビジネスの中心地として日本の経済を支えている東京都の5坪以下の貸店舗の賃料相場は、1
坪あたり1万円〜2万円の割合が多いです。
5坪の貸店舗の場合、賃料は5〜10万円となります。
5坪以下の貸店舗について【埼玉県】
埼玉県の5坪以下の貸店舗に向いている業態とそうでない業態については以下の通りです。
■5坪以下の貸店舗に向いている業態
レンタルオフィスやコワーキングスペースなどの事務所、テイクアウト専門店、雑貨店、ア
パレルショップ、フォトスタジオ、ネイルサロンなどが挙げられます。
■5坪以下の貸店舗に向いていない業態
席数が限られているため一度に大勢のお客様の対応ができない、多くの商品を陳列する、広
いスペースを必要とする調理機材の設置などが挙げられます。
賃料相場
レンタルオフィスやコワーキングスペースの需要が高まっている埼玉県の5坪以下の貸店舗
の賃料相場は、1坪あたり7千円〜1万円の割合が多いです。
5坪の貸店舗の場合、賃料は3万5千円〜5万円となります。
5坪以下の貸店舗について【神奈川】
神奈川県の5坪以下の貸店舗に向いている業態とそうでない業態については以下の通りです
。
■5坪以下の貸店舗に向いている業態
衣服や雑貨を取り扱うセレクトショップ、コンセプトカフェなどの飲食店、エステやネイル
の施術をする美容系サロン、クリニックなどが挙げられます。
■5坪以下の貸店舗に向いていない業態
大きな看板の設置、大量の在庫を一度に仕入れる、広い席を必要とするレストランの運営な
どが挙げられます。
賃料相場
貿易や工業系の商業が盛んな神奈川県の5坪以下の貸店舗の賃料相場は、1坪あたり1万円〜1
万3千円の割合が多いです。
5坪の貸店舗の場合、賃料は5万円〜6万5千円となります。
5坪以下の貸店舗について【千葉】
千葉県の5坪以下の貸店舗に向いている業態とそうでない業態については以下の通りです。
■5坪以下の貸店舗に向いている業態
こだわりのコーヒーや朝食、スイーツを提供するカフェ、アートギャラリーやクラフトショ
ップ、観光案内所、地元で採れた新鮮な農産物や特産品の販売などが挙げられます。
■5坪以下の貸店舗に向いていない業態
ファミレスなどの大規模な飲食店、家電量販店などの大型物販店、大規模なワークショップ
やイベント、大型機器を必要とするトレーニングジムなどが挙げられます。
賃料相場
漁業、農業、製造業などバラエティーに富んだ産業構造をしている千葉県の5坪以下の貸店
舗の賃料相場は、7千円〜1万円の割合が多いです。
5坪の貸店舗の場合、賃料は3万5千円〜5万円となります。
5坪以下の貸店舗の魅力
5坪以下の貸店舗の魅力は以下のようなものが挙げられます。
- 月額家賃を安く抑えられる
- 開業費用の負担が少なく済む
- 少人数での運営が可能
それぞれご紹介します。
月額家賃を安く抑えられる
出店する地域や階数によって異なりますが、5坪以下の物件は月額家賃を安く抑えられると
いう魅力があります。
特に、初めての開業で固定費用をできるだけ抑えたい方から注目を集めています。
開業費用の負担が少なく済む
5坪以下の貸店舗は特に費用の負担を抑えて開業したい方におすすめです。
また、前テナントの内装や機器を引き継ぐことができる居抜き物件であれば、開業資金を抑
えることも可能です。
開業費用で浮いた分は、什器類の購入に充てたり、いざという時に備えて貯金することもで
きます。
少人数での運営が可能
5坪以下の貸店舗は少人数での運営が可能で、人件費を抑えることができるという魅力があ
ります。
しかし、運営できる人数が限られているため、スタッフや客席の配置、動線の工夫が重要と
なります。
5坪以下で運営可能な業態
5坪以下での運営が可能な業態には、特に物販・食物販が挙げられます。
具体的にはセレクトショップや雑貨店、アクセサリーショップなどの物販は、独自でセレク
トした商品やオリジナル商品を取り扱うことで、お客様の興味を引くことができます。
また、特定の料理に焦点を当てて、ランチやディナーの提供が行えるレストランや居酒屋、
テイクアウトも可能なカフェやコーヒーショップなどの食物販は、特定のコンセプトやこだ
わりを打ち出すことで、店内の雰囲気づくりがつくりやすいという利点があります。
5坪以下の貸店舗|東京で飲食店を出店する場合
ビジネスの中心地として日本の経済を支えている東京で飲食店を出店する場合は、様々な要
因を考慮する必要があります。
ここでは、おすすめのレイアウト、出店する際の注意点や確認するべき点についてご紹介し
ます。
おすすめのレイアウト
5坪以下の貸店舗におすすめのレイアウトは、カウンター席を中心に設置する、折りたたみ
式のテーブルや椅子を設置して複数の用途で活用する、明るい照明を使用して店内をより広
く感じる工夫をするといったものが挙げられます。
注意点や確認するべきこと
5坪以下の貸店舗で出店する場合の注意点や確認するべきことは、消防法や衛生基準法の順
守、管轄の保健所に営業許可証を申請する、出店を考えているエリアの賃料相場の把握、周
辺環境の調査、漏電・漏水がないか設備の状態を確認するなどが挙げられます。
また、深夜にお酒を提供する場合は管轄の警察署に「深夜における酒類提供飲食店営業届出
」を提出する必要があります。違反した場合は、罰則として50万円以下の罰金が科されるこ
ととなりますので注意しましょう。
まとめ|5坪以下の貸店舗について
5坪以下の貸店舗は物件がコンパクトな分、広いスペースを必要とする大型機材の設置や大
勢のお客様の対応が難しいなどの課題がある一方、ランニングコストを抑えて少人数で運営
できたり、店舗独自のアットホームな雰囲気作りもできるのが魅力です。
また、レイアウトや店舗のデザインに工夫したり、提供するサービスに独自性を打ち出すな
ど、地域の嗜好や需要に応じたサービスを提供することで魅力的な店舗の運営をすることが
できるでしょう。