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居抜き物件のトラブルと対策方法とは!起こりやすいトラブルは何?

2023.12.07


居抜き物件は、前テナントの設備や内装をそのまま使えるため、初期費用を押さえて開業したい方に人気です。しかし、売却や撤退の際にトラブルに巻き込まれる可能性もあります。

居抜き物件のトラブルを予防するために、対策法や注意点などをチェックしておきましょう。

居抜き物件でトラブルになりやすいタイミング

居抜き物件でトラブルになりやすいタイミングは、主に3つあります。

  1. 家主への確認のタイミング
  2. 造作譲渡契約のタイミング
  3. 物件の引き渡しのタイミング

居抜き物件は初期投資が抑えられるメリットがある一方で、様々なタイミングでトラブルが生じやすくなります。

それぞれ解説していきます。

1. 家主への確認のタイミング

居抜き物件の場合、入居・退去時に家主への確認が必要です。この確認の際に、居抜きの入居・退去可否をめぐってトラブルになることがあります。現テナントが退去の場合、居抜きでの引き渡しを不可としている家主が一定数いることが理由です。

2. 造作譲渡契約のタイミング

2つめは、造作譲渡契約のタイミングです。居抜き物件の場合、前テナントと新テナントが造作譲渡契約を結びますが、その際に造作譲渡契約書が必要になります。この契約書に不備があることでトラブルになることがあります。

3. 物件の引き渡しのタイミング

3つめは、物件の引き渡しのタイミングです。譲渡されるはずの設備がなかったり、設備が故障または破損していたりすることがあります。

また、入居後半年くらい経ってから、設備が壊れてしまうこともあるようです。特に、営業年数が長かった店は、設備が老朽化しているため、トラブルになる可能性があります。

居抜き物件で起こりやすいトラブルとは?

居抜き物件で起こりやすいトラブルには以下のようなものがあります。

  1. 契約関連のトラブル
  2. 内装や設備のトラブル
  3. 廃棄物の管理におけるトラブル
  4. 近隣住民や他の店舗とのトラブル

居抜き物件とは、店舗の設備や内装を残した物件のことです。

初期費用を抑えられるメリットがある一方で設備やレイアウトの問題、法規制の遵守等、各種トラブルも発生し得ます。

それぞれのトラブルについて具体的にご紹介していきます。

1.契約関連のトラブル

1つめは、契約関連のトラブルです。「テナントが原状回復義務があることを理解していなかった」「居抜きで売却したいものの、家主から承諾を得られない」などのケースがあります。契約時に契約内容や費用、手続きなどの確認が不十分だと、契約後にトラブルが発生しやすいのが一般的です。

2.内装や設備のトラブル

2つめは、内装や設備に関するトラブルです。居抜き物件では、前テナントが使用していた内装や設備をそのまま使うことが多いため、譲渡後に故障や不具合などが出ることがあります。また、契約書に記載された譲渡品と実際に譲渡された設備が異なることもあります。

3.廃棄物の管理におけるトラブル

3つめは、廃棄物の管理に関するトラブルです。前テナントが廃棄物を適切に処理せずに退去してしまい、家主や次のテナントが廃棄物による悪臭への対応に追われることがあります。廃棄物の放置が発覚したタイミングによっては、次のテナントが廃棄物の処理費用を負担することになります。

4.近隣住民や他の店舗とのトラブル

4つめは、近隣住民や他の店舗との関係によるトラブルです。騒音、煙やにおいなどのクレームが来ることがあります。前テナントが近隣住民や他の店舗とトラブルを起こしていたら、マイナスのイメージを引きずりやすいです。

居抜き物件のトラブル事例とその対策

居抜き物件には、上記に挙げたようなトラブルが起こり得ます。

ここでは、各トラブル事例と対策についてご紹介します。  

【事例1】契約関連のトラブル事例と対策

【事例2】設備関連のトラブル事例と対策

【事例3】廃棄物関連のトラブル事例と対策

【事例4】近隣との関係に関するトラブル事例と対策

【事例1】契約関連のトラブル事例と対策

■トラブル事例

貸店舗物件の契約内容によっては、原状回復義務があるため、その場合はスケルトンで戻すのが一般的です。しかし、テナントが契約内容を確認せず、原状回復義務が発生するのを知らなかったというケースがあります。このトラブルは、契約時にテナントが原状回復義務について理解していなかったことが原因です。

■対策

  1. 家主・前テナント・新テナントの三者で、原状回復義務について確認すること
  2. 売却を仲介する業者に依頼すること

1.家主・前テナント・新テナントの三者で、原状回復義務について確認すること

契約時に、原状回復にかかる費用や手続きなどを確認し、明確な取り決めをしておくとトラブル予防につながります。原状回復工事費用がどのくらいになるのか、概算見積もりも、出しておきましょう。

2.売却を仲介する業者に依頼すること

三者での話し合いが難航しそうな場合は、造作譲渡売買手数料はかかりますが、仲介業者に依頼することで、話し合いの手間を省くことができます。

【事例2】設備関連のトラブル事例と対策

■トラブル事例

設備関連のトラブルでは、設備の故障や不具合に気付かないまま譲渡されるケースがあります。特に、古い居抜き物件の場合、空調設備や調理設備などが老朽化している可能性があります。この場合、修理費用をどちらが負担するかで、トラブルになりやすいです。

■対策

前テナントと新テナント双方の立ち会いの元で、設備の状態や動作をしっかりと確認することです。動作か確認した内容は書面に記載しておくと、設備の故障や修理時に役立ちます。お互いが納得した上で、引き渡しをするようにしましょう。

特に、トラブルが多いのが、排水管の詰まりです。造作譲渡の契約前に、しっかりと動作確認をしてください。飲食店の居抜き物件では、食材や調理油などが排水管に流れ込むため、排水管の詰まりのトラブルが発生しやすいです。

契約前に、排水管を確認し、高圧洗浄が必要かどうか確認してください。高圧洗浄が必要な場合は、前テナントに洗浄費用の負担を交渉しましょう。

【事例3】廃棄物の管理に関するトラブル事例と対策

■トラブル事例

人によっては居抜きの意味を勘違いし、廃棄物もそのままにすることがあります。悪臭が発生する廃棄物があれば、次のテナントが対応に追われることになるでしょう。

■対策

このトラブルを防ぐには、明け渡しの条件を明確に決めておくことです。廃棄物が出た場合、処分する人、費用負担の割合、誰が処分するのか、条件に従わない場合の処置も、契約書に明記しておきましょう。

【事例4】近隣との関係に関するトラブル事例と対策

■トラブル事例

近隣とのトラブルには、店舗からの煙や騒音、ゴミの出し方などに関するトラブルもあります。店舗が近隣の家と近い場合、煙や騒音、におい臭いや煙、騒音などのクレームを受けてしまうこともあります。

特に、住宅街の中に出店している飲食店の場合、店の業態によっては、このトラブルが発生する可能性が高いです。

■対策

対策は、主に2つあります。

  1. 前テナントは周辺住民からクレームを受けていなかったか事前に確認すること。
  2. 事前に管理規約を確認しておくこと

1.前テナントは周辺住民からクレームを受けていなかったか事前に確認すること。

周辺住民や店舗に挨拶を兼ねて直接聞いてもよいし、不動産仲介業者に確認するのもよいでしょう。積極的にコミュニケーションしておくことで、地域独自のルールなども把握しやすくなります。

2.事前に管理規約を確認しておくこと

テナントビルやマンションに入居する居抜き物件を賃借する場合、管理規約を守ることが必須です。管理規約がない場合、気になることがあれば家主に相談しましょう。

トラブル防止!居抜き物件で開業する際のポイントと注意点

  1. 適切な物件の選択
  2. 契約内容の確認
  3. 内装・設備の検討と調整
  4. 廃棄物管理の重要性
  5. 近隣との良好な関係性の維持

居抜き物件には、さまざまなトラブルの可能性がありますが、ここでご紹介するポイントと注意点を理解・実践することで、トラブルを予防することが可能です。居抜き物件での開業を考えている方は、ぜひご一読ください。

1.適切な物件の選択

居抜き物件を選ぶ場合、自分の店に適した物件を選択する必要があります。

■注意点

前テナントは、何かしら理由があって、撤退しています。撤退した理由によっては、自分の店を出店しない方がいいかもしれません。特に、立地や需要が理由の場合、ほかの店が出店しても撤退になる可能性があります。

■アドバイス

契約する前に、前のテナントが撤退した理由を調べておきましょう。ただし、立地が問題でも、隠れ家的な店を出店したい場合は、問題がないケースもあります。どんな店を出店したいかを考えた上で、適切な物件を選択してください。

2.契約内容の確認

契約の際、契約内容をよく理解し納得のいくものであるか事前に確認しましょう。

■注意点

物件の料金設定や必要になる追加費用、保証金や敷金の条件等、リース条件の全てをよく理解しておく必要があります。

特に飲食店などで事業を展開するなら、店舗が法的に規定された基準を満たしているかを確認する必要があります。

■アドバイス

条件、金額、契約期間など契約の詳細をしっかりと理解し、確認しましょう。理解できない箇所や不明確な部分は不動産業者に質問しましょう。

3.内装・設備の検討と調整

内装・設備の面における注意点・アドバイスは、以下の通りです。

■注意点

引き継ぐ 内装や設備は、新品ではありません。中には、老朽化しているものもあるかもしれません。内装や設備の状態・種類を十分に把握せず契約を締結すると、後々トラブルに発展しやすいです。

故障している品やリース品が含まれていると、次のテナントが修理や買い替え費用、リース代を負担することになります。

■アドバイス

可能であれば、前のテナントに譲渡する内装や設備の一覧リストを作成してもらいましょう。次のテナントはそのリストを元にリストに記載された内容と実際に譲渡する内容が一致するか確認しましょう。

設備や内装の状態や動作に問題がないかも確認します。不要な内装や設備があれば、前のテナントに撤去してもらいましょう。

4.廃棄物管理の重要性

居抜き物件の契約では、廃棄物の管理もきわめて重要です。

■注意点

居抜き物件を引き継ぐ際は、廃棄物が店舗に残っていないか確認する必要があります。廃棄物が残っていると、次のテナントが処分することになるでしょう。また、費用の負担も、次に入居するテナントが行うことになります。

■アドバイス

譲渡品と廃棄物が混在しないように、前テナントは譲渡品のリストを作成するとよいでしょう。店舗にある廃棄物は、不用品回収業者に引き取ってもらうのも、1つの方法です。

5.近隣との良好な関係性の維持

飲食店は、近隣住民と良好な関係を築くことも必要不可欠です。ここでご紹介する注意点やアドバイスを参考にしてください。

■注意点

前のテナントが周辺住民からクレームを受けていた場合、店のイメージをそのまま引き継いでしまう可能性があります。また、近隣の家と店舗が近いと、音やにおいなど、さまざまな面で迷惑をかけてしまうかもしれません。

■アドバイス

契約を締結する前に、前のテナントが近隣住民からクレームを受けていないか確認しておくとよいでしょう。近隣とのコミュニケーションも欠かさず、良好な関係を維持できるように努めることが重要です。

まとめ|居抜き物件のトラブル対策の重要性

空調設備や調理設備を引き継ぐことができるのは、居抜き物件ならではの大きなメリットです。特に、初めての開業の方にとって、初期費用を抑えて開業できる居抜き物件は人気が高いです。

居抜き物件には、契約や設備などさまざまなトラブルがありますが、契約の内容を十分に理解した上で、お互いの認識がズレていないか確認すれば、ほとんどのトラブルを予防できます。万が一に備えて、各トラブルの予防・対処法も把握しておきましょう。

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