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テナント(店舗)の賃貸借契約書に含まれる内容|契約期間・流れや注意点について

2023.12.01


テナントと店舗は、意味合いが異なります。 テナントは「ビルの一部区画に賃借・入居する、不動産の借り手の事」、店舗は「飲食店や、アパレル、美容室、歯科医院など、不特定多数の来客を前提として使われる物件」を意味します。今回は契約書の記事なので、一律「テナントの契約書」として表現します。

テナント(店舗)の契約書の種類

テナント(店舗)の契約書は、2種類あります。

  • 普通借家契約書 
  • 定期借家契約書 

普通借家契約書は、オーナーに正当な理由がない限り、契約は自動更新になります。一方、定期借家契約書は、一定期間のみの契約の場合に必要です。当事者間に特約がある場合を除き、中途解約はできません。再契約は、貸主と借主双方の合意があれば可能です。

テナントの賃貸借契約書とは

テナントの賃貸借契約書は、店舗を貸すとき、貸主と借主の間で交わされる契約書のことです。この契約は、貸主と借主が話し合えば、契約内容を変更することもできます。

テナントの間貸し契約書と

テナントの間貸し契約書とは、別のテナント内の空きスペースを貸すときに交わす契約書です。

テナントの又貸し契約書とは

テナントの又貸し契約書は、店舗の空きスペースを転貸するときに交わす契約書です。ただし、一般的に転貸つまり又貸しはトラブルになりやすいので、原則として転貸借は禁止されています。

テナントの時間貸し契約書とは

テナントの時間貸し契約書とは、テナントを時間単位で貸すときに交わす契約書です。営業していない時間帯の店を有効活用したいときに、時間貸しをすることがあります。

テナントの賃貸借契約書に含まれる内容

テナントの契約で特に多いのが、賃貸借契約です。そこで、この賃貸借契約書について、詳しく解説します。

テナントの賃貸借契約書に含まれる主な内容は、以下の通りです。

  • テナントの契約期間
  • テナント契約の解除
  • 電気などのインフラ契約
  • テナント契約の更新
  • 原状回復

このように、通常の賃貸マンションなどの契約書とは異なる項目も存在します。その中でも、テナント(居抜き)物件で気にするべき項目は、契約期間なども当然ですが、解除時の違約金や返金などのお金周り、『原状回復』といった、お店を開業するうえで行ったお店の内装を借りたときの状態に必ず戻さないといけないという点です。

下記で、1つ1つ詳細にご説明します。

テナントの契約期間とは

テナントの賃貸契約には必ず契約期間があります。一般的には、テナントの契約期間は2~3年です。契約書には、契約開始日も記載しておくとわかりやすいです。

テナント契約の解除について

貸主が契約を無催告解除(一方的に解除)できる条件を契約書に記載しているのに、借主に著しい債務不履行があった場合、貸主はテナント契約を解除することができます。例えば、家賃未納が数ヶ月続いたり、貸主の同意なくテナントを転貸したりする場合が該当します。

電気などのインフラ契約について

電気やガスなどのインフラ契約は、オーナーが契約するケースもあれば、テナントが直接契約するケースもあります。契約する前に、電気やガス料金の相場を知っておくとよいでしょう。

なお、業態により容量が足りないという事も想定されますので各種対応容量を事前に確認することもお勧めいたします。

テナント契約の更新について

契約期間が満了になった時点で、借主が更新希望の場合、契約の合意更新を行います。テナント契約の更新の項目では、更新料の記載も必要です。一方で、貸主が契約更新を希望しない場合は契約書に「契約満了の6ヶ月前までに契約の解除を通知する」という文言を記載する必要があります。

原状回復について

契約終了後には、借主が原状回復義務を負うのが、一般的です。借主は、入居する前の元の状態に戻してから貸主に返還します。トラブルを防ぐためにも、貸主は、原状回復のルールを契約書に記載しないといけません。

テナント契約をする際の物件の種類

テナント契約をする際の物件には、居抜き物件とスケルトン物件があります。テナント契約をする場合、居抜きとスケルトンそれぞれの特徴を把握しておくことが必須です。

簡潔にお伝えすると、

  • 居抜き物件・・・前テナントが利用していた造作・設備・什器等を残したままの物件のことです。
  • スケルトン物件・・・内装や設備など何の造作もない物件のことです。

そのため、居抜き物件は前のお店の状態がそのままなので、安く入りたい方や、前の方と同じ業態(前のテナントがラーメン屋、今回もラーメン屋など)という場合におすすめです。一方、スケルトン物件は内装や設備などが何もない状態なので、一からデザインや機能性を反映したい方にはおすすめです。それぞれの詳細は以下となります。

>>居抜き物件とスケルトン物件の違いの詳細はこちら

居抜き物件の場合

居抜き物件は、前テナントの什器や設備の全てまたは一部を引き継ぐ物件です。什器や設備は借主が買い取るケースもあれば、無償譲渡のケースもあります。

■居抜き物件のメリット・デメリット

メリットデメリット
初期費用を抑えられるレイアウトや内装が希望通りになりにくい
短期間で開店できるレイアウトや内装が希望通りになりにくい

スケルトン物件の場合

スケルトン物件は、ビルの骨組み設備だけになっている物件です。

■スケルトン物件のメリット・デメリット

メリットデメリット
自由にレイアウトや内装を作ることができるオープンまで時間がかかる
設備の管理がしやすい初期投資が高くなる

テナントを契約する際の主な流れ

契約までの流れを簡単に紹介すると、まずは物件の問い合わせをします。希望の条件に合う物件が見つかったら、物件を内覧します。気に入った場合は、入居申し込みです。このときに、条件交渉も行います。審査が通ったら重要事項の説明を受け、契約を交わします。その後、物件のお引渡しになります。

居抜き物件を契約する場合の契約書の作成方法

居抜き物件の場合、テナントの賃貸契約も必要ですが、造作譲渡契約も締結します。これは、内装や造作を引き継ぐ契約の内容を取り決めたものです。

ショッピングセンターや百貨店とテナント契約する場合

出店契約には、本契約と催事契約の2種類あります。立地調査のほか、契約形態や出店コスト、契約条件を確認した上で、契約を検討することが重要です。

ショッピングセンターのテナント契約

例えば、ショッピングセンターに出店する場合は、まず担当者と出店条件や工事内容を確認します。賃料は一律ではありません。問題がなければ、契約の手続き、工事実施という流れになります。

テナント契約をする際に気を付けるべき注意点

テナント契約を行う前には、トラブルを防ぐために以下の注意点を確認しておく必要があります。注意点は、以下の4つです。

  • 原状回復
  • 中途解約時の事前通
  • 居抜き物件の設備
  • 法令上の用途制限

注意点1:原状回復について

借主が負う原状回復義務はどの程度なのか、貸主と借主で解釈が異なってしまうことがあります。原状回復の際の費用負担など、明確な基準を決めておくことが必要です。契約書で特約事項を設定すれば、店舗の設備のメンテナンスを借主側が行うことも可能になります。

注意点2:中途解約時の事前通知について

契約書には、中途解約時の事前通知を定めておく必要があります。借主の店の経営状況によっては、中途解約せざるを得ない可能性もあるでしょう。貸主は、「中途解約時は~ヶ月前までに通知すること」と定めておくと安心です。一般的には、「6ヶ月前」にすることが多いです。

注意点3:居抜き物件の設備について

居抜き物件の場合、前テナントの設備がそのまま残っていますが、どのくらい残っているかは物件によって異なります。居抜きといっても、内外装や什器、家具などすべて残っているとは限りません。

注意点4:法令上の用途制限について

借主によっては、都市計画法や建築基準法、消防法などによって、建物の用途制限を受ける可能性もあります。法令上の制限があるかどうかの確認も必要です。

まとめ | テナント(店舗)の賃貸借契約を行うにあたって

テナントの契約は、原状回復の義務や中途解約時の事前通知などを詳細に定めておかないと、トラブルが発生しやすくなります。契約書に不明瞭な点がある場合はしっかりと確認し、納得した上で契約しましょう。

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