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店舗物件における「看板」の役割と重要性

2023.01.25


店舗物件における「看板」は、そこに店名やロゴ、煽り文句などを掲げることで、通行者に店舗の存在を知らしめ、来店を促す広告物として、店舗の売上を左右する非常に重要な要素であると言えます。

概要:視認性と集客

店舗は、運営するお店で客を集め(=集客)し、飲食させたり、物を売ったり、サービスを提供したりすることで、売上を上げることを目的として物件に入居します。
集客の方法は色々とありますが、多くの場合集客というのは、物件周辺にいる来店する可能性のある不特定の人々を店舗に導く事を指します。そのため、店舗物件においては『その場所にその店舗がある』という事実を、付近にいる人々に対して認識されることがとても重要になります。
もし店の存在がわかりにくく、人に気づいてさえもらえなければ、(当然ですが)人々はその店に訪れようと考える事はありえず、売上は立ちません。人目に付き易い、道路に面した1階の物件が、他の階に比べ、重宝されるのもそういった理由によるものです。このように、通行人に対して店舗の存在を認識させる力(=視認性)は集客力と強く結びついており、店舗物件の価値を決める重要な要素となります。
また、視認性に大きく関わる要素として、建物のフロアや構造、立地等が挙げられますが、これらは所有者や入居者が、後付けでどうにか出来るものではありません。そこで、物件の視認性を補ったり、強めたりする為の附属の設置物として、「看板」が大きな意味を持つことになります。

看板は、そこに店名やロゴ、煽り文句などを掲げることで、通行者に店舗の存在を知らしめ、来店を促す広告物として、店舗の売上を左右する非常に重要な要素であると言えます。

1.看板の種類

立て看板(置き看板・A看板)

立て看板とはその名の通り、道に立てるタイプの看板で、その形状からA看板と呼ばれることもあります。一般に1m程度の高さの可動式のもので、店舗が営業中の時にだけ、道路や入り口付近に各テナントが設置します。道行く人の目線に近く、読みやすいので、細かくたくさんの情報を掲示することに向いています。大抵は、飲食メメニューやお店の価格帯、お店の雰囲気がわかる店内写真などが掲載されています。基本的に営業中しか表に出されることはないものなので、店舗の存在だけでなく、今そのお店が営業中である、という事を伝える役割もあります。手軽にテナント側だけで設置できるというのもこの看板の長所の一つです。一方で、この種の看板は、往来の人の通行を妨げたり、ビルの美観を乱したりする事があるので、トラブルにつながりやすいという側面も持ちます。

袖看板

袖看板とは建物の側部から突き出すように設置されている看板の事です。テナントビルの場合は大抵備えていて、繁華街などでは顔を上げると、各ビルに入居中のテナントが出す色とりどりの看板で賑わっています。ポピュラーな看板の形式である袖看板ですが、ゴチャゴチャとした印象を建物に与えてしまうこともあり、ビルの所有者によっては、建物の外観イメージを優先して、設置スペースを設けないこともあります。

集合看板

ビル内にあるテナントの構成をまとめてフロアごとに表示する看板となります。主に、ビルのエントランスに設置され、EVに乗る利用者がフロアを確認するためにも用いられます。建物外部から見えづらく、広告効果は比較的弱いです。先に挙げた袖看板等を設置しない方針のビルの場合、集合看板が看板集客のメインとなりますが、視認性という観点からはかなり苦しいものとなってしまいます。

屋上看板

ビルの屋上に設置する看板です。屋上部を丸ごと専有して設置されることが多く、巨大でかなり高い位置にあるため、建物付近のみならず、かなり遠くまで広告効果が達します。看板としての広告価値は最大のものであると言えるでしょう。そのため看板単体が、物件そのもののように賃借取引されることもあり、大手企業等が、集客ではなく商品や社名の広告を目的として、借りている場合が多いです。そのため、この屋上看板については、掲示内容とビルに入居しているテナントが無関係である事がしばしばあります。

壁面看板

建物の壁部に設置する看板です。基本的には窓と窓の間、上下のスペースに設置されますが、窓のガラス面自体を装飾し、看板として使用することもあります。取れる面積が大きく、目立ち易いので、看板効果は大きいと言えますが、建物の外観に与える影響も大きいので、設置可能な建物は限られます。

ポールサイン

こちらは主にロードサイドの店舗で用いられる看板です。通常の看板と異なり、通行人ではなく、遠く離れた走行中の車から視認されることを目的としているので、サイズの大きいものが、角度がつくように高く設置されます。

2.看板の必要性

看板というものが、効果を最大に発揮するのは、空中階地下階に入居するテナントに対してです。それらの階のテナントは、もしも人目を引くような看板が設置できなければ、通行人からそこに店舗があると気づいてもらえず、集客は絶望的となってしまいます。空中階や地下のテナントにとっては、各看板の有無やその大きさなどは運営する上での死活問題と言えるでしょう。そのようなテナントとは対照的に、看板をそれほど必要としないタイプのテナントも少なからずいます。

必要としないテナント例:一部の路面店舗

当然ですが、元々視認性が良い物件に入居する事が出来たテナントは看板による集客に依存する事がありません。たとえば間口(店舗が道路に面している部分の幅)が広く、ファサード(店舗の顔となる部分の装飾)が作りこめれば、十分に通行人に店舗の存在をアピールできます。

必要としないテナント例②:目的来店の多い店舗

看板というのは、そもそも不特定多数の人間に対して来店を訴求する為のものです。従って、名の知れた寿司等の高級店、隠れ家立地である事をウリにするレストラン、常連の集う落ち着いたBAR等のテナントは、目的来店の比率が高く、人目を引くような派手な看板は当然ながら必要ではありません。

3.看板料について

テナントビルの場合、看板というのは店舗物件の価値を左右する要素ですので、所有者が予め看板(壁面看板、袖看板、集合看板)を設置するスペースを設けておく事が多いです。これらは各フロアに用意されており、基本的には賃料とは別に使用料を取ります。(看板の種類や貸主さんの意向によっては、看板料がかからない事があります。)金額は、物件や看板効果にもよりますが「1-3万円程度」である事が多いです。ただし、屋上看板については、前述の通り、広告効果が桁違いですので、かかる使用料も高額となります。

4.その他

繰り返しになりますが、入居する物件を選ぶ際に看板は極めて重要な要素となります。あらかじめ看板の種類や役割について把握しておけば、入居する物件の視認性について考える上で、何が良くて、何が足りないのか、判断出来るようになります。出店を検討中の方は、物件を内見する際に建物の中だけでなく付近を歩いてみるなどして、物件が外側からどう見えるのかについても注意を払うのが肝要です。また、既存の看板スペース以外にも、建物所有者に交渉することで、新たな看板設置が認められる事もありますので、覚えておくとよいでしょう。